供血猫や供血犬の存在を知っていますか?

供血(きょうけつ)猫や犬が存在していることをご存じでしょうか。

私はTwitterでその存在を知るまで知りませんでした。

なんて酷いんだとはじめは思いましたが、知るとそんなことないことが分かりました。

とても重要なお仕事をしてくれている猫ちゃんやわんちゃんなんです。

今回はそんな供血猫や供血犬についてご紹介します。

供血猫・供血犬とは

結論からいうと「輸血が必要な場合に血液の提供をする病院で飼われている猫や犬のこと」

これだけ聞くと酷いなと感じますよね。でも違うんです。

人間の献血と一緒で数カ月に1度だけ提供をしてそれ以外は普通の生活を病院内でしているそうです。

ずっと檻の中にいるのではなく、自由な時間もあるそうです。

ではなぜ供血猫や供血犬が必要なのかご説明します。

輸血が必要な時に提供してくれる動物が現れない場合

よくSNSで「何型の何キロ以上の健康なわんちゃんに血液提供お願いしたいです」という投稿を目にしませんか?

これは輸血が必要な手術や怪我の場合に猶予が多少あるからこそ募集をかけているのです。

でも緊急性の高い場合はどうしているのか。

供血猫や供血犬の出番です。

血液型が一致すれば提供してくれるのが供血猫や供血犬。

いなければ助かる命も助かりません。

では、なぜ人間のように献血がないのか次でお話します。

動物の血液は保管できないから

え?と思われた方もいますよね。

実は人間のように血液の保管ができないんです。

未だに日本の法律では動物の血液の保管方法(献血システム(血液バンク))が確立されていない(認められていない)ため新鮮な血液が必要なため供血猫や供血犬が存在しています。

人間の血液が使えるわけではないので猫や犬が必要なのです。

ドナーとして登録することはできますが、健康状態や体重など厳しい審査があります。

それをクリアしてやっとドナーになれるのですが、急には呼び出したりできませんよね。

前もって分かっている手術であれば提供をお願いすることができますが、緊急の場合はできません。

そのため大きな動物病院では供血猫や供血犬を飼育している場合が多いそうです。

どんな生活をしているのか

気になる生活について。

ご安心ください。普通の生活をしています。劣悪な環境ではないそうです。

普通の猫や犬と同じように生活しているそうです。

病院の休憩時間には檻から出て自由に遊んだり、食事も普通に取っているそうです。

決して劣悪ではありません。

何度も言いますが、普通の生活をしています。

では、どうしてそんな猫や犬が病院にいるのかですよね。

ここは少し悲しいお話で飼い主の身勝手な安楽死希望や捨てられたりした猫や犬がなることが多いそうです。

それを止めるために供血猫や供血犬として病院でお仕事をしてもらっているそうです。

常に血を抜かれているわけではなく、人間同様数ヵ月のスパンで必要な時に提供してくれるのです。

ここを心配して「なんて酷いことをするんだ」と勘違いしがちですが、大丈夫です。

この子たちが存在しなければ生きれなかった子たちもいるのです。

とてもありがたい存在なのです。否定しないでください。

供血のドナー登録

病院で飼育されている供血猫や供血犬だけではなく、ドナーとして登録することも可能です。

条件はこちらです。

ドナーとして登録できる(猫の場合)
  • 1~7歳まで
  • 体重4㎏以上
  • 混合ワクチンを毎年接種していること
  • 麻酔をかけずに採血可能な温厚な性格(鎮静剤を処方する病院もあります)
  • 完全室内飼育

以下のような場合はドナー登録できません。

  • 過去に輸血を受けたことがある
  • 妊娠、出産したことがある
  • 全身性の感染性皮膚疾患がある
  • これまでに血液媒介性の感染症に罹患または罹患した疑いがある(猫免疫不全ウイルス、猫白血病ウイルス、ヘモプラズマなど)

このようにドナーとして登録できる出来ないは結構差がありますよね。

オス猫の場合は交配予定がないことが条件となります。

ドナー登録してからの流れ

  • 身体検査と血液検査に問題がないかの検査
  • 輸血が必要になった場合、病院から連絡が入ります。(場合によっては夜間のこともあるかもしれません。)
  • 動物病院で検査のための採血(約4cc)を行い、輸血される側の猫ちゃんとの血液適合チェックが行われます。(クロスマッチテスト)
  • 血液が適合すれば、供血が行われることになり、まず採取する首筋部分の被毛を剃ります
  • 採血時間は10分程度。採取する血液量は体重の約1%に相当する量で、40〜50mlぐらいになります。通常は無麻酔で行う。(軽い鎮静剤を使用する場合もある)
  • 採血終了後、採血量と同量の点滴を行う。さらに採血部位に異常がないかなどを含め体の状態をチェックし、問題がなければその日のうちに帰宅。その際、鉄剤などの薬が処方される

このような流れで行われるそうです。

10分間もじっとしていられる子は珍しいのではないでしょうか。

なので大きい病院では供血猫や供血犬を飼育している場合があるようです。

実際にいた供血猫のお話

小学生以上向けに書かれている本なのでとても読みやすいです。

ばた子ちゃんの一生が描かれています。少し悲しい部分もあるのでハンカチは必須です。

人工血液

現在、中央大学と宇宙航空研究開発機構(JAXA)の共同研究チームが猫用の人工血液の開発に成功したそうで実用化まであと一歩の段階までこぎ着けているそうです。

人間用もまだない中で猫用を作ったのは凄いことだと思います。

実用化されれば供血猫は存在しなくなります。

そんな世の中になるといいなと思っています。

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